ハチミツ料理の開拓と普及
1.ハチミツ料理の出会い
もう50年前になるでしょうか。初夏、我が家に岐阜の渡辺養蜂場から優しい花の香りいっぱいのれんげ蜜1斗缶が届きました。
母はちょうど出盛りの真っ赤な露地いちごを大皿に並べ、その上にキラキラ光るハチミツを糸状にしたたらせて、私に手渡してくれました。
父と兄弟のいる茶の間へ運ぶ途中、そっとつまんだ一粒。
心地よい香りが、口一杯に広がってきました。
私が初めておいしいハチミツに出会った瞬間でした。
当時は、我が家でもハチミツは貴重品で、風邪でのどを痛めた時など薬用に使ったくらいでした。
ハチミツは食卓に並ぶようになってから、牛乳、紅茶、くず湯、卵酒、お正月のおせち料理というぐあいに、我が家のハチミツ利用法は、少しずつ広がりをもっていきました。
ただ砂糖をハチミツに置き換えるだけでなく、ハチミツのもつ特長をもっと上手に利用する方法は?
試行錯誤を続けながら、野菜料理、肉料理、魚料理、デザート・・・に素晴らしい効果を発見していきました。
ハチミツの特長と料理、ミツバチの生活、ハチミツ料理の歴史、探求するほどいっそう魅力の増す世界です。
ミツバチに導かれて、気がついたら72歳になりました。